理事長報告(2018年6月)

島根県農地中間管理機構の理事長として、農地集積(農地中間管理事業)の推進のため、島根県内各市・町長、県議会議員、市町議会議員等と面談を重ねてきましたので、その概要を報告します。

平成26年の農地中間管理事業スタート当初から、県内市・町長を対象に、事業推進のPRを行ってきましたが、最近は、農地集積をいかにして市・町長の関心事にするかということに重点をおいて面談を進めています。

その際、農水省経営局の作成による集積率地域別色分けマップ(別添)を活用し、市・町長を始め、市議会・町議会に集積の必要性を説明し、十分な理解を得た上で、次なる集積へのステップアップを目指すことについての決意を促すことに努めています。

(例)
1 隠岐の島町 (町長・副町長・農林水産課長) 40%台 ↗ 50%台
2 安来市 (市長・副市長2人・農林部長) 30%台 ↗ 40%台
3 奥出雲町 (町長・副町長・農業振興課長) 20%台 ↗ 30%台

また、一部の市・町議会ではありますが、当該議員に面談し、各議会での農地集積についての質問を促し、首長の答弁の中で農地集積率アップへの決意を引き出すことにより、農業関係者以外の議員や住民を含め、地域ぐるみの集積への関心と理解を促すことに努めてもいます。

さらに、島根県議会においては、知己のある議員へ働きかけ、制度改正された農業委員会と農地中間管理事業の連携の必要性などを質問していただき、多くの県議会議員の農地集積への関心を高める活動も行っております。(参考:議事録

このような活動を行ってきた結果、農地集積に関する各市・町長の理解度や認識には大きな格差があることがわかりました。

「農地集積は当該市町の将来の農業・農村の継続・発展に不可欠であり、又集積率はそのポテンシャルを表わす重要な指標である」という認識が十分に伺えないことが多々あり、理解いただくべく粘り強く訪問を継続していくことが必要だと強く感じているところです。

なお、地域での集積推進の中心は、各市・町の農業振興担当課にあり、農地中間管理機構や農業委員会が補完・連携する関係と位置づけられています。また、集積率アップには以下のように様々な手法が考えられますが、その際、市・町長はもとより取り巻きの副市町長・総務部長・企画部長など農業以外の幹部もできる限り議論に加える必要があると考えており、面談の折には、これらの幹部の方々にも同席をいただいています。
(例)
①集積率アップの市町議会・市町民あげての理解の促進
⇒ 議会問答、広報誌での取り上げ、マスコミ対策・・・広報(企画部長)
②集落営農の組織化・法人化の推進(担い手パワーアップ)
⇒ 農業振興部門組織強化・増員・優秀な人材配置・・・組織人事(総務部長)
③中山間地域での集積率アップは大変困難・達成目標率の下方修正は?
⇒ 耕作条件不利地域での集積率アップにつながる担い手への何らかの国による支援制度が不可欠の課題と感じている・・・財政(総務部長)
④土地基盤整備(含む改正農業者負担ゼロ制度)の推進
⇒ 財政負担・・・財政(総務部長)
⑤市町長による農業委員会制度改革後の集積活動の活発化への働きかけ
⇒ (各農業委員会により活動に大きな格差があるため、農地利用最適化推進委員等の活動成果を評価し見詰めていくシステムの必要性を感じている)

最後に、農地集積(中間事業)の推進に、現場の推進役が必要不可欠であることは、ご承知のとおりです。つまり、農業委員会法に定められる「農業委員・最適化委員の農地集積(農地利用の最適化)への役割」が重要であるということです。

このため、委員の皆さんの能力を高めるため、農地集積に関する研修会が開催され、当機構でもその研修に積極的に協力しているところです。※5月28日 県内農業委員会長研修(理事長、専務参加)

しかし、残念ながら、独立行政委員会である農業委員会の業務に市町村長の関心度は低いと感じています。一方で、農地集積は、農村地域を振興していく上で、非常に大きな課題であり、市町村長の強いリーダーシップが求められることは言うまでもないことです。

このため、集積の推進リーダーシップは市町村長(農業振興担当課)にありという十分な共通認識と、市町村長に配分権限を持たせた支援制度を通して市町長が積極的に関わる(関わらざるを得ない)権限と責務をおびる状態におく必要があると強く感じています。

なお、以上のことについては、4月27日に開催された「農水省と各県機構との意見交換会」の場において、農水省経営局の幹部の方々へ意見陳述しております。



Shimane Agriculture Public Corporation